【GⅠ特集】 アーリントンCの負け組

 

こちらはNHKマイルC特集の2枚目です。

 

 

アーリントンC組は【1・0・2・10】となっています。

 

 

ただ、17年まで阪神1日目に行われていたために結果を出した馬が皐月賞を優先してしまったり、間に何戦か挟んでしまう事で前走データとしての見栄えが良くありません。

 

 

ですが、当レースのトライアルとなり、阪神7日目に移されて以降は徐々にこのレースでも存在感を発揮しています。

 

 

18年3着だったレッドヴェイロンが9番人気で3着と走り、19年2着だったカテドラルが7番人気で3着と走り、2年続けて波乱の使者を送り出しています。

 

 

今はデータ的に不均衡な感じになっていますが、あと5年も経てばNZT並みに活躍馬を排出していることでしょう。

 

 

GⅢレースなので回顧はUPしていませんから、簡単にレースを振り返っておきます。

 

 

今年は稍重で行われていましたが、前半34.1秒の入り方は良馬場であったとしてもかなりのハイペースだったと思います。

 

 

2・3F目で10秒台が連発しているので過去10年では当然最速でした。

 

 

 

馬場状況を考慮するとかなりしんどいペースになっているので、ラスト3Fは11.7-12.1-12.9とゴールに向かうほど減速しています。明らかに消耗戦のレースでした。

 


勝ったタイセイビジョンは後方追走で4コーナーでも9番手と言う位置取り。しかもラチ沿いを抜けてきているので展開を大いに味方にしています。

 

 

これなら2番手追走から4コーナー先頭の3着馬プリンスリターンや、外目追走で4コーナー4番手だったギルデッドミラーの方が立派な内容でしょう。

 

 

勝ち馬に2馬身も離されてしまいましたが、実のある競馬をしていたのは負けた2・3着馬の方だと思います。

 

 

 

ギルデッドミラー

 

 

デビュー前からクラシック級という評価の高い馬だったのですが、その高い素質に心身が追いついていないという残念な馬でした。

 

 

出遅れたり、発馬後に逸走したりとまともにスタートが決まらないゲート難を抱えていました。

 

 

他にも、右回りだとモタれるクセがあったり、道中行きたがったりと不本意なレースばかりしていたので出世がかなり遅くなっています。

 

 

なので管理する松永厩舎でも思考錯誤を繰り返したようで、レースでもいろいろと工夫をしながら馬を矯正していました。

 

 

歯並びが悪いのでそのせいでハミが上手くハマらないのかもと、その歯(親知らずの様なもの)を抜いてしまったりと本当にいろいろやっています。

 

 

きっと考えられることは全部やっているのだと思います。そこまでするのもこの馬の素質を買っているからに他なりません。

 

 

そして、その成果が表れたのが2勝目を上げた2走前と言う事になります。

 

 

それまでのゲート難が嘘のような好スタートを決めていて、折り合いもマシになっていました。直線も鞭を入れずにゴールまで伸びています。

 

 

大外を回っていたのに最終的にラチ沿いまでヨレているのでこのクセは健在のようですが、抜け出すときの瞬発力は素晴らしいものがありました。

 

 

結果、2馬身半差の完勝でまともに走ればこうも強いのかと感心してしまいます。やはり能力の高い馬なのでしょう。

 

 

前走のアーリントンCも良いスタートが切れていますので、とりあえずゲート難という不安材料は完全に解消されていると見ていいでしょう。

 

 

ハイペースを積極的に追いかけての2着死守。後続の追込みも何とかしのいでいましたし、いいレース内容だったと思います。

 

 

段々とまともなレースが出来るようになって来た事で、成績も安定期に入っているように感じます。

 

 

レースぶりも格段に良くなっている印象で、ここ2戦とそれ以前とでは馬が変わっているように思います。上昇曲線の渦中に入っているのではないでしょうか?

 

 

使っている馬なので大幅な上積みはなさそうですが、持て余していた馬が能力を出し切れるようになっているので侮れない存在だと思います。

 

 

能力を出し切れるようなレースができれば、勝ち馬タイセイビジョンとの差を詰めることも可能かもしれません。

 

 

ただ、やはり折り合い面の問題はまだ残っていると思います。

 

 

2走前は1400m戦で流れが速かったですし、前走も過去に例がないほどのペースで流れたハイペースでした。

 

 

2走とも折り合いをつけやすかったという点は見逃すべきではないでしょう。スローになった場合に一抹の不安が残っていると思われます。

 

 

でも、レシステンシアが阪神JFぐらいのペースで飛ばして行けばこの馬にとっては好都合な事で、それなら気性を何とか抑え込めることも出来るでしょう。

 

 

内枠に入っているのも前に壁を作りやすいので吉と出るはずで、この馬の弱点を補ってくれると思います。

 

 

かえってレースはしやすくなるのではないでしょうか?

 

 

さらに、どうしても左にヨレる馬なので右回りから左回りに変わる事はプラスに働くでしょう。この条件替わりはかなり大きい変化をもたらす気がします。

 

 

GⅠ条件で本命扱いの頭からという感じまでしませんが、好走条件はかなり揃っている状況で全体的な印象は悪くありません。

 

 

 

プリンスリターン

 

 

朝日杯FS5着(15番人気)、シンザン記念2着(5番人気)、アーリントンC3着(5番人気)と、この路線の重賞で安定した成績を残していますがいつも人気になりません。

 

 

血統も地味ですし、流行りの社台ブランドでもないし、未だにGⅠ未勝利の厩舎に加えて、騎手はリーディング下位常連の原田騎手。

 

 

とにかくプロフィール的な魅力が全くないので、毎度人気薄扱いの馬で今回も現在9番人気で30倍もついています。

 

 

これだけ実績を残しながら、未だ伏兵扱いの域を出ていないようです。

 

 

そんな評価でいいのかどうか?念のためにここまでの走りを確認してみましょう。

 

 

朝日杯FSはスタートの失敗や4コーナーの不利、直線の接触などスムーズな競馬が全く出来ていません。

 

 

この内容で5着は大したもので、まともなレースが出来ていたら3着ぐらいはあった計算が成り立ちます。

 

 

なお、それまでは短距離中心の馬であったので距離不安もありましたが、朝日杯FSの走りから距離には自信が持てるようになりました。

 

 

シンザン記念から積極的な競馬をしているのはこういう理由です。

 

 

そのシンザン記念の勝ち馬は桜花賞3番人気、3着馬がきさらぎ賞を優勝しています。プリンスの2着は弱い馬を相手にしたものではありません。

 

 

 

そしてアーリントンCはレース史上最速のハイペースで展開したレースです。ラスト3はゴールに向けて減速していくラップ構成で、普通の馬なら止まっている流れでしょう。

 

 

それを2番手の積極策で2着とはクビ差。この粘着性は驚異的です。この馬の強さを最も端的に表した秀逸な内容だと思います。

 

 

このように3戦した重賞はそれぞれに見る所があり、決してフロックと呼べるモノではありません。本番で通用する目途は十分に立っていると思います。

 

 

なので、陣営もアーリントンCは叩き台的な意味合いで使っており、明らかにNHKマイルCを意識して使っています。地味な馬でも大きいところを諦めてはいません。

 

 

また、シンザン記念後の休養期間中に馬が格段に成長していて、どんどん強くなっている段階と厩舎では話しています。

 

 

目標のレースと成長曲線がうまい具合に噛み合っている状況でなので、何かが起こる可能性はあります。

 

 

前走以上は確実ですし、成長次第でさらなる能力UPもありえるので侮れません。今回も人気以上に走ってくるのではないかと思います。

 

 

弱点を上げるとすれば、時計勝負の根拠が朝日杯FS5着ぐらいしかありません。

 

 

他は洋芝の北海道、コンディションが悪かった年始の京都コース、アーリントンC稍重と、好走したほとんどのレースが時計を要する条件でした。

 

 

持ち時計らしいものがないのは気になるところで、この馬に破綻があるとすれば時計決着になった時かもしれません。

 

 

ただ幸い、日曜は午前中に降雨の可能性が出ています。降らない可能性もあるのですが、1ミリでも多く降ればこの馬には恵の雨となるでしょう。

 

 

それと忘れていましたが、重賞実績は他にも函館2歳S3着がありましたね。

 

 

重賞を4度走って馬券圏が3度で、オール掲示板。GⅠ級を除けばここまで立派な馬はいそうで案外いないものです。

 

 

普通に強い馬なんじゃないでしょうかね?

 

 

 

ボンオムトゥック

 

 

1800mを2連勝していたようにマイラーと言う訳ではないようです。

 

 

前走でアーリントンCを使った理由は別にあって、阪神の外回りコースでいい結果が出ていたのでそこを狙ってマイラーズCにしたに過ぎません。

 

 

距離適性よりもコース適性を重視しての出走でした。

 

 

実際、新馬・未勝利とマイル戦で取りこぼしていて、前走も僅差の4着ではありましたが3着にも入れていません。

 

 

これではマイル適性が高いと認識するのは難しいでしょう。

 

 

連勝時が極端とも言えるスローペースをゆったりと行って、最後に一脚使っただけの内容で持続力や地力が試されてレースではありませんでした。

 

 

前走も最後に良い脚を使っているように見えますが、ハマっているのですからそれも当然です。

 

 

出遅れていつものポジションが取れなかったのが功を奏した印象です。展開的に向いているので、それでも馬券圏内に来れないようでは重賞では力不足な気がします。

 

 

使えた末脚も2・3着馬より0.1秒速いだけなのでマイラー特有のキレ味が備わっているとも言えません。

 

 

もう少し長めの距離を先行して最後に速い上がりを使って凌ぐ競馬が現状では合っていると思います。

 

 

長めの距離実績を持っているので府中のマイルでやれる可能性を多少残しているかもですがが、それ以外に必要な素養をここまでのレースで示してはいません。

 

 

アーリントンCからNHKマイルCへ進むよりも、フローラS辺りからオークスへと進んだ方がしっくりくるイメージなのですが、どうなんでしょうかね?

 

 

強調出来る材料が無いだけに、言い様がないというのが正直なところです。

 

 

また、デビュー戦からちょっとづつ馬体を減らし続けているのも気になるところで、関東への輸送競馬は不安な材料になるでしょう。

 

 

牝馬なのですからそれは尚更です。