【桜花賞特集】 その他組

 

こちらは桜花賞特集の3枚目になります。

 

 

サンクテュエールが勝ったシンザン記念も、ミヤマザクラ・マジックキャッスルが走ったクイーンCも、リアアメリアの2歳GⅠからの直行ローテも以前はほとんど実績のないローテションでした。

 

 

しかし、その情勢はここ1~2年ですっかりと変化してしまいました。

 

 

アーモンドアイがシンザン記念から優勝、クロノジェネシスクイーンCから3着、グランアレグリアが2歳GⅠから優勝と全て結果に直結してしまいました。

 

 

今はローテションの概念が通用しない時代に入っているので、間隔が空いた久々が全く不利にはなりません。

 

 

調教施設や技術の進歩で初戦から馬は仕上がるようになっています。

 

 

ここで扱う馬も体勢だけはしっかりと整えて出走してくることでしょう。馬が能力通りに走るならどの馬も侮れない存在ばかりです。

 

 

サンクテュエール

 

 

今さら有名な話ですが、シンザン記念牝馬が馬券になるとほぼ桜花賞確定と言う状況です。

 

 

07年2着ダイワスカーレット、11年3着マルセリーナ、12年1着ジェンティルドンナ、16年2着ジュエラー、18年1着アーモンドアイと5頭が桜花賞馬になっています。

 

 

例外は18年2着のツヅミモン(桜花賞9着)だけなのですが、これも仕方ないですよね。この時の優勝馬がアーモンドアイなのですから(せめて同着であって欲しかったとは思いますけど)。

 

 

これらのことからも分かるようにシンザン記念桜花賞を目指す社台系牝馬の裏ローテ的役割をになっているのです

 

 

特に近年はノーザンF生産馬がこれを強く意識していて、昨年はパッシングスルーが、今年も同馬の他にフィエールマンの半妹ルーツドールの牝馬2頭出しを慣行しています。

 

 

このように目のある牝馬阪神JFではなくシンザン記念を優先して使ってくることもあるほどです。

 

 

このサンクテュエールも生産者サイドの期待の高い1頭と言う事になります。

 

 

それを証拠にこの路線でルメール騎手に宛がわれたのが同馬です。これは早い段階で決められていたことなので、関係者としても高い期待を示していることになります。

 

 

この馬が多くのシンザン記念出身牝馬と同じように桜花賞馬になれるかどうかは、注目すべきところでしょう。

 

 

ただ、これまでの情報を整理してもこの馬以上に期待の高い牝馬は割といるんですよね。

 

 

アルテミスS時にはリアアメリアの方が注目されていましたし、シンザン記念の時はルーツドールの方が将来的に出世すると言われていました。

 

 

藤沢厩舎の中でも牝馬ならクイーンCに出走していたルナシオンの方が評価は上でしたし。

 

 

現時点での評価に変化はありそうですが、ここまででサンクテュエールが世代を代表するというような期待の高さが無いのは気になるところです。

 

 

でも、それだけこの世代のレベルの高さを表しているのでしょう。

 

 

サンクテュエールもこれまでの評価を覆しながらここまで来ていますので、この馬も同世代の中心にいることはないと思います。

 

 

馬の特徴を話しておけば、エンジンのかかりが遅いのがネックになるかもしれません。

 

 

新馬戦とアルテミスSで使えた末脚はともに33.6秒と同じ上がり時計になっています。どちらもスロー展開でしたので33.6秒と言っても特別速い訳ではありません。

 

 

また、この2戦では前半のペースが1秒近く違うのに同じ上がりしか使えていないというのは変な話で、フルスロットルでも33.6秒ぐらいが限界だったのだろうと思われます。

 

 

これもエンジン性能の鈍さに由来するものでしょう。上がりが極端に速くなると不安が残るかもしれません。

 

 

ただ、それでもこの馬が凄いのはエンジンさえ吹かしてしまえばかなり質の高い末脚を使う事が出来るところです。

 

 

新馬戦は残り1Fで一気に加速しており、失速率の低かったレースを差し切っています。

 

 

アルテミスSでも最後に伸びたのはやはりラスト1Fを切ってからでリアアメリアに0.1秒差まで詰めることが出来ました。

 

 

シンザン記念でもそれは同様でして、先に抜け出されたプリンスリターンをジワジワ追いつめてゴール前でクビ差抜け出しています。

 

 

トップスピードに乗るのに少々時間がかかるのですが、それで間に合うようならゴール前で際どく詰めて来れるはずです。

 

 

そういう意味では時計が高速化しにくい阪神コースはあっていると思いますし、桜花賞当日に一雨来そうな天気もこの馬の味方となるかもしれません。

 

 

レースの高速化が抑えられるようならこの馬の評価は上げておくべきでしょう。

 

 

エンジンが点火するまでの時間はハラハラすることになりそうですが、その状態で叩き合いになっていれば最後の最後にクビを出すのはこの馬かもしれません。

 

 

 

ヤマザクラ

 

 

関西の牡馬がダービーを意識して共同通信杯を使うように、関西の牝馬オークスを意識して共同通信杯と同週のクイーンCで試走を済ませることがたまにあります。

 

 

17年1着のアドマイヤミヤビなんかがこれに当てはまっていて、ミッキークイーンなんかもそうだったんだろうと思います。

 

 

ヤマザクラもこれらと同様の考え方で遠征してきたようです。

 

 

この馬がオークスを意識して使われていたのはその戦績を確認すれば否定できないところでしょう。

 

 

1800m→2000m→2000mと中距離を中心に使われており、しかもその全てが牡馬との混合戦です。

 

 

あえてタフな条件を選んで使っているようなところがあり、そもそも2歳牝馬京都2歳Sを使っている時点で常識外れです。

 

 

当初より距離適性の長さを意識されて使われていたのでしょう。

 

 

そうは言っても所詮は牝馬です。上述したアドマイヤミヤビもそうであったように、牝馬なら桜花賞には出ておくものです。

 

 

牧場時代から評価の高い馬でしたので、最大目標がオークスだとしても桜花賞を無視していくのは難しいところです。

 

 

それにフィリーズレビュー組と違って、競馬と言うものは距離を延長するより距離を短縮する方が対応しやすいものです。

 

 

対応出来そうであれば、多少の適性ズレがあったとしても桜花賞には出ておくべきです。

 

 

厩舎側も「府中コースならマイルでも問題ない」とした上で、「アクシデントでもない限り勝ち負けでしょう」とマイル戦に対応出来る自信を垣間見せていました。

 

 

また、マイラプソディに京都2歳Sで負けてしまい中途半端な賞金しかないので、どこか確勝出来るところで賞金を加算しておきたいという目的もあったようです。

 

 

諸々の事情を考慮して選択されたのがこのクイーンCだったと言う訳です。

 

 

ただ、クイーンCを勝ちはしましたがこの1戦でマイル適性の高さを証明出来たと言う風には思えません。

 

 

今年はこの10年で最速のペースで進行したハイペースの競馬でした。後半の失速率は前半と比較すると2秒も時計のかかるしんどいレースになっています。

 

 

そういう意味では心配機能の負担が大きなレースとなっているので、中距離適性の高いこの馬に向いていた可能性は高いのではないでしょうか?

 

 

未勝利戦をレコード勝ちしているようにスピードそのものはある馬なので、こういうペースを追走するのも簡単だったのではないかと思います。

 

 

結果、上がりを要する展開となりでマイラー特有の瞬発力を封じることが出来ていたのかもしれません。内

 

 

内容に実のあるレースではありましたが展開はこの馬に味方していたと思われます。

 

 

阪神コースのマイル戦では決め手の要求度はさらに高くなってきますので、この1戦でマイルで無敵と評価するまでは出来ないのではないか考えています。

 

 

桜花賞がマイル色の強いレースになった場合に一抹の不安は依然残しているのが現状でしょう。

 

 

この戦績ですので、そうなった時に対応できるであろう根拠までは見出すことが出来ません。

 

 

なお、同馬にとってはこれが初めての牝馬限定戦となりました。牝馬同士との力関係を測れたと言う点では十分な収穫はあったであろうと思います。

 

 

後述することになりますが、レシステンシア・マルターズディオサと接戦の経験を持つマジックキャッスルに先着出来たことは非常に意味があることです。

 

 

適性面を抜きにすれば、ポテンシャルの面で牝馬のトップクラスと渡り合える目途はこれで立ったと言えるでしょう。

 

 

それを思えば距離が短いからと言って、このメンバー相手でもやれる可能性は当然残っています。

 

 

クイーンCのように展開がこの馬に向けば好走することも難しい事ではありません。

 

 

マジックキャッスル

 

 

サフラン賞でチューリップ賞を勝ったマルターズディオサの2着(0.0秒差)。

 

ファンタジーS阪神JFを勝ったレシステンシアの2着(0.2秒差)。

 

そしてこのクイーンCでミヤマザクラの2着(0.0秒差)。

 

 

ここまで常に牝馬のトップクラスを相手に接戦をしてきました。

 

 

その全てで勝ち切れてないのは気になりますが、相手が相手ですからそれでマイナス評価をする気にはなりません。

 

 

ここまで4戦はペースはバラバラで、スロー・ミドル・ハイとあらゆる流れを経験しています。それで確実に上位に加わって来るのですから素晴らしい馬です。

 

 

しかも、うち3戦は上がり最速の末脚。常に上位の脚力を発揮しており、こういう馬なら取りこぼしは必然的に少なくなります。

 

 

特にクイーンCの内容にはこの馬の脚力の高さが良く表れています。

 

 

この時の府中は馬場状況が良くイン前競馬が続いていました。それを直線入り口最後方からの外差しを決めてタイム差無しまで詰めてしまいました。

 

 

これは豪脚と言っていいのではないでしょうか?

 

 

また、これらは福島→中山→京都→府中と全て違うコースでの結果です。どんなコースでも能力を発揮している点も素晴らしいパフォーマンスだと思います。

 

 

条件も展開も全てバラバラなのですが、それでも安定感を崩すことがありません。ここは素直に評価すべき所でしょう。

 

 

どんな条件でも結果を出せるオールラウンダーとしてかなりの能力を感じます。

 

 

ただ、ここ2走は後ろからの競馬になっている点は少々気になります。それで来れているので問題無しとも取れますが、頂上決戦のGⅠではそれが命取りにもます。

 

 

出来ればスムーズな競馬で良い走りをして頂きたいところです。

 

 

2歳の頃は完成度が高い馬と言う評価でしたので、成長度で少し劣るかなと考えていた頃もありました。

 

 

ですが、クイーンCまでの休養中に馬はしっかりと成長を遂げたようです。休ませた効果で馬体がふっくらとして帰厩して来ました。

 

 

その結果、以前より収縮して走れるようになって、可動域が大きくなり走りの質がより向上しています。

 

 

そういう点がクイーンCの豪脚に繋がっているのでしょう。馬は強くなっています。

 

 

こういうローテなので、前走からの上積みをどう見積もるべきかは難しいですが、調整に困るタイプではないので悪くない状態で出走してこれると思います。

 

 

ノンタイトルの馬なので注目度は低いですけど、人気ほど上位と差があるようには思えません。

 

 

 

リアアメリ

 

 

 

ある意味、今回の桜花賞で鍵を握っている馬と言っても過言ではありません。

 

 

以前話したことですが、ノーザンFの戦略では新馬戦が開幕される1週目に素質の高い馬を意識的に投入してきます。

 

 

朝日杯FSを勝ったサリオスなどが良い例ですが、1年前もグランアレグリアがダノンファンタジーと対決しています。

 

 

素質を評価されていたこのリアアメリアも同様でした。

 

 

早めに勝って、成長を促す休養を挟み、秋に1戦して暮れのGⅠをと言う考えです。

 

 

新馬の開幕週に使われている時点で生産者側の高い評価の現れと受け取るのはもはや常識となっています。

 

 

なので、このリアアメリアも非常に期待された馬であったことは間違いがありません。周囲の期待の高さはどこよりも高かったと言っていいでしょう。

 

 

こんな逸話が残っています。

 

 

昨秋のチャンピオンズCでクリソベリルに騎乗した川田騎手に勝てそう?と質問した人がいたそうです。

 

 

それに対して、川田騎手は「わからない。でも来週(阪神JF)勝てるから今回は気楽に」のような感じで返答したそうです。

 

 

目の前のGⅠよりも次週のリアアメリアの方が気になっていたのでしょう。結果が真逆になっているのは皮肉な話ではありますが。

 

 

その阪神JF敗因の理由は様々あると思います。

 

 

経験不足や調教不足といろいろなものが不足しており、GⅠで1番人気に応えるだけの準備があらゆる面で足りていなかったからだと思います。

 

 

それまでの2戦2勝はスローペースの経験しかなく、能力だけで勝ち上がって来ただけと言う内容です。

 

 

阪神JFはその辺の影響がモロに出て、レース史上最速の速さで展開されたハイペースに馬が対応出来なかったという印象です。

 

 

2歳戦なのでそうレースを使う事も出来ませんが、もう少しハードなレースも経験させておくべきでした。

 

 

また、厩舎側の油断と言うか、なめた態度と言うか、そういう慢心が招いた人災とも解釈出来ます。

 

 

本番まで強めの負荷をかけた調整をほとんどしていませんでした、馬を鍛えていたとはとても言えません。

 

 

これはこの馬の走破タイムにも表れているのではないかと思います。

 

 

アルテミスSの勝ち時計が1:34.3だったのですが、阪神JFの走破タイムは1:34.2で、ほとんど変わりませんでした。

 

 

ペースがいくら早くてもこの馬は自身の持つ時計までしか走れなかったという事だと思います。

 

 

その中間で馬はほとんど強くなっていなかったのでしょう。

 

 

この程度の調整でありながら、期待の高さに疑いを持つ人はほとんどいなかったようです。

 

 

ゲートに向かう際に川田騎手は馬を引いていた担当にこう言い放ちます。

 

 

「じゃぁ、勝ってきます!」

 

 

と。この馬の関係者はこの状態でも本気で勝てると思っていたのでしょう。ナメているという厳しい言葉を使ったのはこのためです。

 

 

また、その他にリア自身にも問題があって、この馬には気性的な危うさがあります。かからないようにと常に注意しなければいけない事情もありました。

 

 

これは当時も指摘していますが、新馬戦とアルテミスSの2戦で道中でクビを激しく上げて行きたがってしまいます。

 

 

こういう気性を気にかけて強い調教が出来ないという事もあったのでしょう。鍛えることが出来なかったのはリア自身にも問題があったのだと思います。

 

 

なので、この陣営は桜花賞の枠番が決まってからこのような事を言っています。

 

 

「決まった枠でやるしかない」と。これは不本意な枠を引いた陣営がよく口にするセリフです。

 

 

ですが、今回のリアが納まった枠は真ん中の4枠8番で絶好枠です。普通は諸手を挙げて喜ぶところでしょう。

 

 

恐らく馬群の中で競馬をするのが嫌なんだと思います。気性に問題を抱えている馬なので馬群の中でモミモミされたくなかったのだと思います。

 

 

それに2歳時の2戦目までの競馬について当時こんなことを言っていました。

 

 

「スタートを五分で出てしまうと、後続を突き放してしまうから、競馬を覚えさせるために後方で競馬をさせていた」と。

 

 

だから2戦目まではわざと出遅れていたんだそうです。

 

 

こんな馬鹿な話はありませんね。新馬なんだからまずはスタートをしっかり出ることから教えるべきです。レースはそこから始まるのですから。

 

 

これは気性を考慮して後方から出して行って馬群に包まれないように工夫していたんだと思います。

 

 

桜花賞の枠が決まった上記の発言から気性的な問題は根本的な解決に至ってないのかもと思わざるを得ないところです。

 

 

と、阪神JFはいろいろと問題を抱えた状態でした。それを今回の桜花賞でどれだけ改善しているのかが重要なファクターになって来ます。

 

 

まず、調整面についてですが指摘したことは厩舎側も良く理解しているようで、

 

 

「あれでも勝てると思っていたが中途半端な調整で勝てるほど甘くなかった」

 

 

と、反省は出来ているようです。

 

 

今回は馬の成長もあったという事で、今ではしっかりと強めの負荷をかけてみっちりと丹念に調整がされているます。

 

 

今回はしっかりと調整をしてきていると思います。中内田厩舎は次戦よりも初戦の方が結果を出しますので走れる態勢はちゃんと整っていることでしょう。

 

 

また、こういう気性の馬なので久びさの鉄砲ローテションも馬にとってはプラスになるのでは?無観客競馬でテンションが上がらない効果も期待できそうです。

 

 

また、スタートの問題点についても「わざと出遅れて」の様な事はさすがにもう考えていない模様です。

 

 

今週の話では「五分に出て中段ぐらいで競馬が出来ればチャンスは大きい」と言っているほどです。

 

 

「出来れば」と言う表現のしかたがミソで気性の不安を表していますが、レースの流れに乗せて競馬をしようと言う気持ちは伝わって来ます。

 

 

今回は人間側の責務がしっかりと果されているという感じが強く、阪神JFの時の様な慢心だけはありません。

 

 

やれることはしっかりとやっていてその姿勢には好感が持てます。

 

 

後は馬側の責任です。気性の粗さを少しでも抑えられるようアメリアには我慢して欲しいところです。

 

 

惨敗だったとは言え、阪神JFではハイペースの競馬にも触れることが出来ましたので経験値そのものは上がっているはずです。

 

 

馬に少しでも学習能力があれば今回は対応出来る可能性はあります。今度は馬側が人間側の期待に応える番でしょう。

 

 

私も阪神JFでは軽視の立場で予想をしていましたが、今回はあの時よりはずっとマシな状態だと思っているので、この馬の能力には警戒を強めています。

 

 

能力的には冒頭で触れたようにこの世代で1・2位を争うほどのポテンシャルがあります。

 

 

力さえ発揮できるような状況であれば、この馬の逆転優勝も決して不可能ではありません。

 

 

とにかく、あとはもうリアアメリア次第と言ったところです。

 

 

 

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