【皐月賞特集】 トライアル重賞組

 

こちらは皐月賞特集の1枚目です。

 

 

ここでは皐月賞のトライアル重賞の2レースを扱っていきます。

 

 

その前にまずどうでもいい話から。

 

 

JRAのHPにある出馬表ではとうとう「弥生賞」と言う文字が消えてしまいましたね。

 

 

こちらの馬柱では過去4走のレース成績を載せているのですが、「ディープインパクト記念」の方で統一されています。

 

 

こういう情報操作で人々の記憶から弥生賞と言う言葉が消えていくのでしょう。

 

 

弥生賞DI記念のレース時に「このレース名は嫌だな」と言う意見はいろんなところで目にしました。それだけ弥生賞と言う言葉は歴史や威厳があるのだと思います。

 

 

でも、選挙の投票権と違って、勝ち馬投票券では民意は反映されません。胴元の決定には誰も逆らえないので、もうどうしようもないですね・・・

 

 

さて、皐月賞のトライアル重賞には弥生賞DI記念とスプリングSの2レースがあります。まずは簡単にレース相性など皐月賞における傾向を確認しておきます。

 

 

弥生賞組の傾向

 

 

弥生賞の過去10年の成績は【1・5・2・34】になっています。

 

 

勝ち馬はもう10年前になるヴィクトワールピサが最後で、弥生賞組はなかなか勝ち切れていない傾向が残っています。

 

 

皐月賞と同じ舞台で行われているのでもう少し勝利数が多い方が様になるのですが・・・

 

 

ちょっと前までの常識だと、弥生賞皐月賞日本ダービーと言う春3戦が王道的なローテションでした。

 

 

なので、皐月賞では大目標に向けて余力を残して使ってくるケースがあり、弥生賞馬は日本ダービーの方が結果を残すことが多かったりします。

 

 

例:スペシャルウィーク(98年)、ロジユニヴァース(09年)、マカヒキ(16年)

 

 

ヴィクトワールピサやサートゥルナーリアのような中山コースに適性の高い馬なら別ですが、本当に買うのは日本ダービーであったりする場合もあるので注意が必要かもしれません。

 

 

弥生賞の回顧はこちら

 

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スプリングS組の傾向

 

 

スプリングSの過去10年の成績は【3・1・2・36】になっています。

 

 

馬券になった総数では弥生賞に譲ってしまうのですが、勝ち馬数では共同通信杯に次ぐ成績を残しているのがスプリングS組です。

 

 

特徴としては、弥生賞よりも距離が1F短いのでマイラー色の強い馬が多く参戦するレースで、朝日杯FSの勝ち馬は大体このレースを使って来ます。

 

 

その事が影響してなのか、スプリングS組が皐月賞で馬券になる時は人気薄の事が多く、一昨年のエポカドーロは7番人気での優勝でした。

 

 

スプリングS勝ちから3冠制覇を達成したあのオルフェーヴルですら皐月賞時は4番人気と低い評価でした。

 

 

どうしても同じ条件で行われる弥生賞組に人気が集中するのでスプリングS組は昔から軽視されやすい傾向があります。

 

 

なので、この組から馬券を組んで結果が出ると、配当的な妙味が大きくなります。付き合い方を間違わなければリターンが大きくなると言っていいでしょう。

 

 

なお、スプリング組で馬券になった6頭の内訳はスプリング賞1着馬が3頭、2着馬が3頭となていて3着以下だった馬の好走は全くありません。

 

 

今年の該当馬2頭はどちらもこの条件を満たしていますので、皐月賞好走の資格を持つ2頭と言う事になります。

 

 

結果はいかに?

 

 

スプリングSの回顧はこちらから

 

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サトノフラッグ 

 


いまさら初戦の敗北を気にする必要はありませんが、そこを落としていなかったらこの馬も無敗でここまで来ていたことでしょう。

 

 

そうすればさらに今年は盛り上がっていたかもしれません。

 

 

でも、国枝厩舎は初戦から仕上げるような厩舎ではないので、これは仕方ないですね。あのアーモンドアイだって新馬戦は負けていたでしょ?

 

 

これが厩舎の方針なので、初戦の敗北は重箱の隅にもならないうっかり負けの1戦です。

 

 

さて、国枝調教師ですがアパパネの頃には黒々としていた御髪が、アーモンドアイの頃には真っ白になっていました。今ではお年を召された御大です。

 

 

そんな国枝調教師もあと6年で勇退の運びとなります。

 

 

そのせいもあってか近年は国枝厩舎へ入厩してくる馬の質が格段に上がっていて、ノーザンFから集中的に良質な馬が入って来ています。

 

 

これは国枝調教師がダービーだけは未だに勝っていないという事が大きく、師に最大の栄誉を取ってもらおうと生産者サイドのバックアップが強くなっているからです。

 

 

サトノフラッグはそういう経緯を最も象徴しているような馬で「3歳の牡馬の中では一番」と言う評価がデビューの頃からされていてました。

 

 

これは「クラシックに載せないとダメな馬」と元より期待の高い1頭です。

 

 

この馬の素質は騎乗していたマーフィー騎手も評価が高く、それまで騎乗してきた馬の中でもトップクラスの馬と大絶賛していたほどです。

 

 

順調に行けばダービーを目指せるだろうとこの馬に携わる関係者は一様にそう考えていました。

 

 

素材としては文句ない馬なのでどこかでGⅠを勝っていい馬でしょう。それが今回かどうかと言う問題になることでしょう。

 

 

やはり最大の目標が皐月賞がそれ以外かと言う所が肝心な所かもしれません。

 

 

ここまで十数行書いてきただけでダービーと言う言葉が何度も出てきているように、この馬を語る上でダービーと言う言葉は欠かせません。

 

 

厩舎サイドも最大目標はそこにおいているようです。今回はどこまでの仕上げを施して出て来るかが焦点になって来るのではないかと思います。

 

 

厩舎サイドの仕上げ方や戦略などは出来るだけ把握しておきましょう。

 

 

後は性能的な所をいくつか話しておきます。

 

 

まず、面白いのがこの馬も府中の2歳レコードホルダーだという事です。

 

 

これは弥生賞回顧録にも記してありますが、現在の府中コースの2歳レコードは現在の3歳世代が独占している状況なのです。

 

 

◆府中1400mレコードタイム:1:20.8
∟タイセイビジョン(京王杯2歳S1着時) 
↑朝日杯FS2着

 

◆府中1600mレコードタイム:1:32.7
∟サリオス(サウジRC1着時)
↑朝日杯FS1着

 

◆府中1800mレコードタイム:1:44.5
∟コントレイル(東京スポーツ杯2歳S1着時)
↑ホープフルS1着

 

◆府中2000mレコードタイム:1:59.5
∟サトノフラッグ(未勝利戦1着時)
皐月賞?着、ダービー?着

 

 

レースが行われていない2400m以外は全てこの世代が昨秋にレコードを塗り替えていたのです。そしてGⅠ未経験の同馬以外は全てGⅠレースで連対しました。

 

 

昨秋の府中は異常なほどの高速馬場でしたが、能力無しにレコードを出せるほど甘くはないという事がこの一覧ではっきりと確認出来る事でしょう。

 

 

そういう意味ではサトノフラッグも既にGⅠで通用するだけの下地を2歳時に示していたという事になります。

 

 

それを証明したのが2勝目を上げた中山2000mの走破時計です。

 

 

この時の2:01.4と言う走破時計は8日前に行われたホープフルSでコントレイルが記録した走破時計と全く同じであったのです。

 

 

このようにサトノフラッグがGⅠで通用すれであろう根拠は探せばいくらでも出て来るような状況です。

 

 

皐月賞でも勝ち負け出来るだけの力は備えているだろうことは間違いがありません。

 

 

また、前走の弥生賞DI記念の内容も素晴らしかったと思います。

 

 

それまでの2連勝時は上がりの競馬で勝ち上がっていたので、前走までは瞬発力が武器の馬かなと思っていました。

 

 

ですが、その前走で皐月賞に必要な持続戦でやれるだけの根拠をしっかりと残してくれています。

 

 

重馬場で行われていたので11秒台が頻繁に記録されることもなかったのですが、向こう正面から出入りの激しい競馬で息の入れにくい展開になっていました。

 

 

レースでは持続性能が試されていて、そんな苦しい展開でもラストで11.8-12.3と速いラップでまとめられている所が優秀でした。

 

 

単純なラスト3Fだけの末脚ではなく、良い脚が長く続く事がこの1戦で証明されています。こういう競馬が出来るなら皐月賞でも十分に対応出来るはずです。

 

 

ダービーを意識せず、ここで完璧に仕上げてしまえばこの馬が皐月賞馬になるのではないかと思えてしまいます。

 

 

繰り返しになりますが、ダービーか皐月賞か?と言う事になってくるのでしょう。

 

 

前者なら他馬に隙を与えることになりますが、もし後者になるならほぼ勝ち負けなのでは?

 

 

 

 

ブラックホール

 

 

もう余談になってしまうかもしれませんが、デビューからずっと手綱を取っている石川騎手はホープフルSでの騎乗で物言いがつき中間にクビになりかけています。

 

 

ホープフルSでヤマっ気たっぷりに勝ちに行ってしまったので末が甘くなってしまったことが、馬主の怒りを買ってしまったのだとか。

 

 

ほとぼりが冷めたので継続騎乗が許されましたが、そういう理由で前走では札幌2歳Sを勝利した時の脚質に戻して後方からの競馬に徹することになりました。

 

 

それで4着と一応の格好がついているので、現状ではこういう乗り方がこの馬の能力を最も引き出す作戦と言う事になるのでしょう。

 

 

このような経緯がある以上は今回も同様の戦法になる可能性は極めて高いと思います。

 

 

そうなってくると、上位に食い込むためには展開の助けが必要になって来ます。

 

 

そもそもホープフルSのメンバーでさえ関係者は「相手が強い」と思っていたので、基本的にはGⅠレースに交じると格下感が出て来る馬です。

 

 

皐月賞のメンバーはホープフルSよりもレベルが上がっています。GⅠ級の馬ならおいそれと止まることはありません。

 

 

後方に構えすぎると差して届かずというケースが発生しやすくなります。

 

 

GⅢ程度のレースやGⅠ級に隙があるトライアルならそれでも通用することはありますが、頂上決戦となるGⅠで自在性の放棄がプラスに働く事は稀な話です。

 

 

まともにやったら厳しい戦いになるでしょう。

 

 

反面、皐月賞は乱戦になる事もしばしばなので展開の助けが発生しやすいレースでもあります。

 

 

この馬に切れ味はありませんが、バテない強みがあるので乱戦になればなるだけこの馬の長所が活きてきます。

 

 

この長所が活かさられる展開になれば出番がないとは言えません。

 

 

ホープフルSのようなガチンコ勝負を挑むなら最初から無印でいいと思います。でも、着拾いの競馬をしてくる場合は可能性がゼロではありません。

 

 

展開の助けがもしもあるなら、この馬に出番があることもあるでしょう。同馬の取捨ははそうなるかどうかの展開想定により判断するのが賢明です。

 

 

なお、中山競馬場周辺は土曜日に雨が降る事がほぼ確実で、降雨量もかなりの量になるとのことです。皐月賞当日に湿り気を残す可能性は高いでしょう。

 

 

当日の含水率や馬場の回復具合にもよりますが、時計のかかるコンディションはこの馬向きの条件です。

 

 

展開の助けがあるかないかはレースの流れによるので流動的になりますが、天候によるプラスαは期待してもいい材料でしょう。

 

 

パワーに特化している同馬にとって、タフな展開になればなるほどパーフォマンスの向上が期待できます。

 

 

馬場の回復が遅れれば案外やれるかもしれません。

 

 

 

ガロアクリーク

 

 

スプリングSを10頭立ての6番人気で制したガロアクリーク。ただ、重賞を勝ったのはいいんですけど、この馬についてはあまり言う事は無いんです。

 

 

以下ではあまりお勧めできないという事を説明するだけになるかと思います。ご了承ください。

 

 

まず、今年はスプリングSには珍しいスローで上がりの競馬になっていました。

 

 

1000m通過63.1秒とかなりゆったりと流れていて過去に例がないくらいのスローペースです。例年よりも1秒~2秒ぐらい時間をかけてゆっくりと周回していました。

 

 

そのせいでレースは上がり3Fからの瞬発力比べとなってしまい、切れ味のある馬、一瞬の脚のある馬に展開は向いていました。

 

 

なので、ガロアの上がりも中山の中距離では珍しい33秒台の末脚となっています。

 

 

その切れ味の鋭さは評価できるんですけど、あいにく皐月賞にそんなキレ味は必要ではありません。

 

 

持続的な流れになりやすいレースなので、スプリングSのようなかったるいレースにはならないでしょう。

 

 

この馬の切れ味が発揮される場面はあまり期待できません。

 

 

皐月賞で即通用と言えるような内容を今年のスプリングSに見つけることは出来ず、強調出来る材料がほとんどないのです。

 

 

本来は重要なトライアルですが、今年の場合は予行演習にすらなっていないのではないかと思います。

 

 

また、このガロア自身もそういうヨーイドンの競馬に強い適性を持っているようです。2勝した内容がどちらもラスト3Fだけ加速するというレースでした。

 

 

馬の個性の面から探りを入れても、やはり皐月賞向きの馬とは到底思えず、重賞勝ちの実績を評価して厚遇する気にはなりませんでした。

 

 

また、騎乗していたヒューイットソン騎手のレース後談話も見逃せません。

 

 

これが来日初の重賞勝利となったので非常に喜んではいましたが、ガロアにとって2000mは限界で距離が長いかもとコメントしています。

 

 

皐月賞は前傾持続戦になりやすいので序盤から展開が厳しくなりがちです。

 

 

距離適性が短い馬は出来るだけ距離を誤魔化して回りたいところですが、序盤から消耗度が高くなることで負荷が大きくなりそういう事も出来なくなります。

 

 

この馬が好走出来るとしたら奇跡的などスロー競馬になった時で、極端な後傾ラップになった時でしか出番はやってこないのではないかと思います。

 

 

ヴェルトライゼンデ

 

 

池添騎手はホープフルSオーソリティに騎乗して5着でした。オーソリティはその後弥生賞DI記念でも3着していたよう弱い馬ではありません。

 

 

ですが、ヴェルトが厩舎に戻ってくる前から今年の春はこの馬で行くと早々にこの馬の騎乗が決まっています。

 

 

今回は出走していませんがオーソリティ以上には走ると思っていたのでしょう。実際、オーソリティに先着していますので当然の話ではありますが。

 

 

未だパーフェクト連対継続中の馬で、2歳GⅠ、皐月賞トライアルも良い成績でクリアしています。この馬もまた世代の中心を担う1頭です。

 

 

ただ、「コントレイルが強かった」とホープフルSでは完敗を認めていますので、上位勢力とは少々差がありそうな雰囲気ではあります。

 

 

その辺の能力差がこの3ケ月でどれほど埋まったかが重要になりそうです。

 

 

今期は復帰戦をスプリングSと決めていたので、早くから乗り込み順調に調整されていて、復帰戦では良い状態にもって来れていました。

 

 

陣営は「問題は勝ち方」と強気に構えていた程なので、前哨戦を買って本番に挑みたかったようです。

 

 

それだけに本番を見据えての様な事をまるで話していなかったのは気になっています。

 

 

本来はGⅠ2着の賞金でクリアしている状態でしたからもう少し余裕を持っていて欲しかったところですが。

 

 

皐月賞を前に箔をつけておきたかったのかもしれません。

 

 

2走目の上積みはある程度は期待できそうですが、どれほど上積み幅を示せるかが焦点になるでしょう。

 

 

皐月賞は大丈夫そうですけど、ダービーの頃にはちょっとわかりません。

 

 

ただ、この馬の戦績を振り返るとダービーよりも皐月賞と言う感じがしないでもありません。

 

 

4戦したうちの3戦が1周コースとなっています。ワンターンではなく淀みなく流れやすいこの条件がこの馬に向いていると厩舎は考えているのかもしれません。

 

 

中弛が無く、一定のペースを淡々とこなすような持続的展開を好み、一定のペースのまま最後まで走り切れるので、こういうコース形態は適した能力を持っています。

 

 

逆説的にはなりますが、そういう適性がアダとなってスプリングSを取りこぼしてしまったのでしょう。

 

 

ガロアクリークの稿で触れているようにスプリングSはよーいドンの競馬でした。瞬発性能で劣り、決め手負けというのが前走の内容です。

 

 

その負け方がむしろ皐月賞向きの適性を証明していると思います。

 

 

厩舎サイドでは勝てると思っていたレースであっただけに2着と言う結果は満足していないでしょうが、適性ズレの展開のせいなので敗因は明確です。

 

 

悲観する必要は全くないでしょう。

 

 

レースセンスもあり、追い比べになれば抜かせない根性も持ち合わせているので、競争馬としてのフィジカルは非常に高いと思います。

 

 

重賞勝利はまだなく、圧倒的なシーンも見せたことがないので地味な印象も強いのですが、各種パラメータは平均以上で総合的な力では上位と大きな差を感じません。

 

 

今回は外枠からの競馬になりますが、スプリングSでは外から差し込む形でレースに対応していました。今回の枠ならその経験がプラスに働く事はあるでしょう。

 

 

馬格もあり、重馬場もこなすクチなので皐月賞は悪い条件ではありません。上位に食い込める可能性も小さくはないでしょう。

 

 

 

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