【高松宮記念特集】 オーシャンS回顧

 

高松宮記念特集の2本目です。

 

 

ここ10年の勝ち馬の内訳は招待馬エアロヴェロシティ(15年)が勝った他は、オーシャンS3勝、阪急杯3勝、シルクロードS3勝とこの3競走がぴったりと分け合っています。

 

 

中でもオーシャンSは3勝2着2回3着4回と馬券になった回数が阪急杯と並んでトップ(9回)になっています。

 

 

とても関連性の高いレースと見てよいでしょう。

 

 

特に今年は昨年までの既存勢力の主力が今年のオーシャンSに集結していましたし、ステップ競争の中で最多となる6頭が出走していて、今回における最大勢力です。

 

 

本番を占う意味では最も重要な位置づけにあったと言って差し支えありませんので、しっかりと分析しておきたいところです。

 

 

レース内容の分析や、戦前戦後の談話などを拾いながら本番への道程を詳らかにしていこうと思います。

 

 

オーシャンS回顧

 

 

1着:ダノンスマッシュ(1番人気)
∟1:07.4

2着:ナックビーナス(3番人気)

3着:タワーオブロンドン(2番人気)

7着:ダイメイプリンセス(5番人気)

9着:ティーハーフ(12番人気)

13着:ラブカンプー(14番人気)

 

 

 

モズスーパーフレアが勝った昨年は物凄い時計でしたが、今年も0.3秒遅いだけで好時計の部類です。

 

 

モズスーパーの様なスーパーな逃げ馬がいなかった割には結構いい時計で駆けていると思います(過去10年で2番目に速い)。

 

 

テン3Fで32秒台が出ても珍しくない中山コースですが、今年も33.1秒で通過しているので遅い感じは致しません。

 

 

レース序盤から速さ比べが展開されていたレースだったと思います。

 

 

1・2着馬はこれを前で運んでおり、直線では後続を突き放しています。見た目の印象通り速くて強い競馬と評価していいでしょう。

 

 

駆け引き抜きのガチの勝負だったので、終わってみれば1着ダノンスマッシュと2着ナックビーナスのマッチレースだったと言う印象です。

 

 

勝ったダノンスマッシュはスタートが悪く、レース動画を見る限りは一番遅い発馬となっています。

 

 

この時の競馬はテンだめ、中よし、終いよしと言う表現がいいですね。

 

 

だからこそ、レース序盤にすぐ発馬の不利を挽回してしまったところが凄いと思います。いとも簡単に好位に取り付けてしまうこの馬のダッシュ力は驚異的です。

 

 

二の脚の速さがとんでもないと思います。

 

 

普通にロスの多い競馬だとも思うのですが、ナックの勝ちパターンを差し切ってしまうのですからスプリント能力の高さを嫌と言うほど見せつけています。

 

 

スタートに関しては、レース後に川田騎手も「課題を残した」と話しています。この点が改善されるようならもっとすごい決め手を発揮できるはずです。

 

 

本番でこの時以上の発馬が決まれば本番ではもっとすごいレースが可能になります。そういう意味ではまだ上積みの余地が残されています。

 

 

2着のナックも褒められて良いレースでした。後続を待たずにいち早く抜け出しているのですが、その抜け出す時の脚も実に速い。

 

 

また、逃げていたエンゲルヘンが残り2Fで脱落しているので本来ならこれほどの好時計にはなりません。

 

 

ハイペースを2番手追走していた同馬がこの流れを引き継いだことでこれだけ優秀な時計が記録されたという分析が可能です。

 

 

このレースでナックが果たした功績は非常に大きかったといるでしょう。負けて強しでいいと思います。

 

 

以下は離されてしまっているので、根本的にはスピード不足だったという評価を下さねばなりません。

 

 

ただ、やはり3着タワーオブロンドンには酌量の余地を認めておかなければならないでしょう。

 

 

力差がそれほどないスマッシュとの斤量差2kは物理的に不利であることは否めません。

 

 

勝負所の反応が鈍かったのですが、それも斤量差が影響している可能性は高く、仕方ない敗戦と評価していいのではないでしょうか?

 

 

スマッシュには5馬身近く離されているので少し負け過ぎていた感はありますが、同斤量になればその差は普通に埋まって来ると思います。

 

 

このレースを根拠にすると本番で逆転の方程式を見つけることは出来ないのですが、ちょっとしたことで埋め合わせ出来る範疇でもああります。

 

 

スマッシュとの着差をシビアにとらえる必要はないと思います。

 

 

そのほかの馬についても簡単に触れてお来ます。

 

 

7着ダイメイプリンセスは最後に差は詰めていましたが、道中は追走一杯で速いペースについて行けませんでした。

 

 

本来は千直巧者なので極限スピード比べは持って来いのタイプなのですが、そういう良さが見られません。

 

 

また、中山1200mはスプリンターズSで2度好走をしていて走れる条件であったはずです。

 

 

これらを踏まえると調子的な問題と言わざるを得ません。馬が完調ではないのでしょう。

 

 

本質的には夏馬なのでよくなって来るにはもう少し時間が必要かもしれません。

 

 

9着ティーハーフは10歳ですが極端に能力が落ちているという事もないんだそうです。ただ、追込み身上の馬なので展開がハマらないとどうもこうにもなりません。

 

 

前が止まる消耗戦の様な展開であれば差し届きますが、前が止まらない状況では他馬を上回る脚を持っていないので差を詰められないことが度々です。

 

 

高松宮記念では4着だったこともあるのですが、その時は馬場が渋って上がりが高速化しなったことが要因です。

 

 

GⅠレベルの競争ではこの馬の末脚で捕まえられる馬は限られています。

 

 

13着のラブカンプーは一向によくなって来ないですね。もう逃げる事にもこだわりがないようでこの時は中段を追走して何も出来ないままゴールしています。

 

 

早熟だったと言わざるを得ず、さすがにもうコメントのしようがありません。

 

 

 

 

 

ダノンスマッシュ

 

 

今年の始動戦を勝ったことで良いスタートを切ることが出来ました。今期はとにかく順調に事が運んでいるようです。

 

 

昨秋は函館SSでの薬物混入事件の影響で調整が四苦八苦になってしまい、思い描いていたような調整過程を踏めていた訳ではありません。

 

 

短距離王国と呼ばれる安田厩舎ですから、スプリンターの調整プログラムは一流です。それに狂いが生じたことでいろいろと苦労していたようです。

 

 

ひょっとしたらスプリンターズSも本当はベストな状態にまで仕上げきれなかったのかもしれません。

 

 

そんな秋シーズンと比べると今回の立ち上げは陣営もかなりやりやすかったと話しています。調整面では昨秋以上のステップを踏めていると考えていいでしょう。

 

 

前走も「斤量差があるんだからタワーオブにはここで負けてはいられない」と言う強い気持ちは持って挑んではいましたが、それはライバル物語の一環に過ぎません。

 

 

必要なのはGⅠタイトルだけと言う馬なのですから、オーシャンSを勝てばそれで終了と言うつもりは毛頭なかったことでしょう。

 

 

本番へのオツリはしっかりとため込んでいます。

 

 

また、馬も暮れの遠征後はしっかりとした成長を果たしたそうです。そういう実感が「父に似てきた」と言う言葉に表れているのだと思います。

 

 

純粋に馬が強くなっているかもしれません。

 

 

その父ロードカナロアも最初の高松宮記念では取りこぼしています。父に似ているというのなら2年目でしっかりと勝利をもぎ取りたいところです。

 

 

ただ、懸念材料が無いという訳でもありません。それはスタートに難を見せ始めていることと、左回りの実績が弱いという事です。

 

 

本来はスタートも上手いはずだったのですが、スプリンターズSの頃からあまりいいスタートが決まらなくなっています。

 

 

オーシャンSでも出遅れて発馬後一瞬だけ最後方というスタートでした。また、香港スプリントも出遅れていて発馬後に後方2番手と言うスタートになっています。

 

 

オーシャンSではすぐさま挽回できましたがそれは相手関係の都合によるのでしょう。

 

 

出走馬のレベルが超一流だった香港スプリントでは挽回出来ないまま後方追走を余儀なくされています。GⅠ級が相手になるとこういうミスは致命的です。

 

 

だから香港スプリントも負けたのでしょう。オーシャンSではどうにかなりましたけど、本番のGⅠで同じ芸当が出来るかどうかはわかりません。

 

 

スタートをどうクリアするかが1つの焦点となってくるのではないでしょうか?

 

 

また、昨年の当レースの時にチラホラ言われていたことではありますが、成績が右回りに偏っていて左回りでの結果が芳しくありません。

 

 

でも、これは仕方ないですよね。

 

 

左回りのスプリント重賞なんて高松宮記念ぐらいしかないんですから。左回りの成績は3歳春までやっていたマイラー路線での成績ばかりです。

 

 

なのであまり気にしなくてもいいかなと思います。

 

 

でも、実際昨年負けたじゃやないか!と言う感じもあるのですが、昨年の敗戦を左回りに求めていいのかどうかは言いきれないと思います。

 

 

予想ページの方で触れているように昨年の結果は枠順(7枠13番)の影響によるものでしょう。とにかくこのレースは枠順の有利不利の大きなレースです。

 

 

そこに理由を求めておかないと12番人気セイウンコウセイ(2枠4番)や、17番人気ショウナンアンセム(4枠7番)を交わせなかった辻褄が合いません。

 

 

川田騎手も左回りがダメだとは思っていないと話していますので、回りの適性についてはあまり気にしてはいません。

 

 

仮に当時は左回りが苦手であったとしても、本格化の兆候がうかがえる今回は杞憂に終わるのではないかと思っています。

 

 

 

ナックビーナス

 

 

17年がオーシャンS2着→高松宮記念8着

 

18年がオーシャンS2着→高松宮記念3着

 

19年がオーシャンS2着→高松宮記念14着

 

20年がオーシャンS2着→高松宮記念?着

 

 

と、同じローテが今年で4年目になります。

 

 

本番で3着と馬券になったこともありますが、上記の比較だけ見ても適性的にどちらが向いているのかは一目瞭然です。

 

 

そもそも中山コースではほとんど崩れることがない中山巧者【3・7・01】のイメージが既に確立されています。

 

 

そのことは陣営も重々承知の上なので高松宮記念よりもオーシャンSを本線で使っているようなところがありました。

 

 

なぜなら、昨年暮れのラピスラズリSで58kを背負っていたように賞金的な問題で中山コースの条件では酷量を背負うレース選択肢しかもう出来ないからです。

 

 

実際に話、1月のカーバンクルS(中山)に回ると斤量設定が60kになってしまうので、前倒しで阪神に遠征したという経緯があります。

 

 

普通の斤量で得意な中山を使おうとしたら、オーシャンSスプリンターズSしか使えないのが今のナックの現状です。

 

 

そのためにどうしても今年のオーシャンSは勝っておきたかったそうで、それなりの勝負仕上げで挑んだ1戦でした。

 

 

そういう気概はレースでもはっきりと表れていて積極果敢なレース運びでツートップよりも先に抜け出し抑え込む競馬をしています。

 

 

結果、スマッシュには先着されましたが、タワーオブには大きく先着することが出来ました。

 

 

今のスプリント路線でこの2頭の間を割れる馬はそうそういなと思うので立派な結果だと思います。負けて強しの競馬でした。

 

 

でも、それだけに一仕事終えている感が強く残ります。

 

 

前走も久しぶりであったので叩いた効果はそれなりにあるのでしょうが、GⅠを前にして期待できる上積みはスマッシュ・タワーオブより少ないのではないかと思います。

 

 

タワーオブも2戦目で上げて来ますし、スマッシュを逆転できるような大幅な上積み無いというのはかなり厳しい感じが致します。

 

 

また、高松宮記念には実績もあり、唯一の重賞タイトルが札幌であるようにどんなコースでも走れる馬ではあります。

 

 

それでも、やはりベストコースを走ることで期待できるプラスアルファ的な要素は欠けていると言わざるを得ません。

 

 

相手関係上能力差があるのは否めない立場であり、それを補うための上積みや適性など加点材料が乏しいのは否めないところです。

 

 

頑張っている馬なので気の毒ではあるのですが、前走以上と言えるような材料はほとんどありません。

 

 

 

タワーオブロンドン

 

 

オーシャンSでの結果を受けて、スプリント戦におけるダノンスマッシュとの対戦成績は1勝2敗でまた負け越すことになりました。

 

 

ここで再び五分に戻しておきたいところでしょう。

 

 

また、同じ厩舎のグランアレグリアとの比較も気になるところですね。

 

 

ルメール騎手は最初からアーモンドアイ(ドバイ)を優先して高松宮記念に騎乗するつもりがありませんでした。

 

 

なのでスプリンターとしてどちらを上に評価としていたのかを知る術がありません。そこが分からないのはちょっとつまらないですね。

 

 

こうやって見るとタワーオブには様々なライバル関係が存在していて今回は敵が多いように感じます。

 

 

果たしてそれらの包囲網を突破してスプリントGⅠ連覇の偉業にたどり着けるでしょうか?

 

 

さて、スプリンターズSを勝った同馬でしたが始動戦のオーシャンSで3着と振るわない結果となりました。

 

 

これまでは休み明けでも好走していただけに気になるところです。

 

 

前走は叩き台として使っていたので勝てなかったことをそこまで気にする必要はないのですが、ちょっと負けすぎた印象もぬぐえません。

 

 

これに関しては、前走はどうも調整を失敗していたようです。

 

 

テンションがかなり上がってしまっていたようで、調教もラストに14秒も要してしまって最後はバタバタしていました。お世辞にもよい内容とは言えません。

 

 

こんな状況だったので本番前にガス抜きしておかないとヤバいだろうという事になり、オーシャンSにおいては勝ちに拘る姿勢が無くなりました。

 

 

完全な叩き台に徹するしかなかったというのが本当のところのようです。

 

 

加えて58kと他馬より重い斤量を背負っての1戦でしたのであそこまで負けてしまうのも仕方なかったなぁというところはあります。

 

 

また、ルメール騎手はこの状況をあまりシビアには考えていなかったようです。

 

 

「休み明けはいつもこんなもの」と話していたので使ってガスが抜ける事もいつも通りのことなのだと思います。

 

 

レース後には「次は大丈夫でしょう」と話していた程なので、全ては想定内の結果だったと思われます。

 

 

以上のことから、あくまで前哨戦として使っていますので評価を落とす必要は全くありません。

 

 

こういう経緯があるなら叩いた効果は絶大だと思いますし、上積み幅は相当大きいのではないかと思われます。

 

 

前走以上が期待できる状況にあると思います。

 

 

また、中京競馬場は初参戦になりますが条件面は中山よりもこちらの方が絶対に向いているでしょう。

 

 

ダノンスマッシュと比べると反応速度がこの馬の方が遅く、一瞬のスピードで負けています。

 

 

そういう弱点を克服するには小回りの中山よりも広々としている中京コースの方が良いはずです。

 

 

また、末脚の破壊力がこの馬のウリなので長い直線で目一杯に負える条件は悪い訳がありません。

 

 

左回りも京王杯2勝(2歳S・SC)の実績から全く問題はないでしょう。当時の走りを振り返るとむしろ上手いぐらいに感じます。

 

 

それに中京コースでは長めの距離実績が強みになることもあります。1400mと1600mの重賞も勝っている点はスマッシュにはない強みになります。

 

 

当然、スプリント実績が既にあるのですからマイルGⅠ馬4頭と比べてもはるかに有利な立場にいます。

 

 

条件的にはベストに近いのではと思うので、当然勝ち負けを意識しなければなりません。

 

 

アクシデントでもない限り、ゴール前ではだいたい来ていると思います。

 

 

ただ、個人的に気なるのは鞍上です。

 

 

ドバイ遠征を早い段階で取りやめた福永騎手が中京巧者の実績を買われてヒューイットソン騎手から急遽変更されました。

 

 

でも、福永騎手の中京巧者ぶりに期待して私もたびたび馬券の中心に据えたことがあるのですが、ここのところ裏切られてばかりです。

 

 

チャンピオンズCではチュウワウィザードで4着、フェブラリーSではワイドファラオで12着、金鯱賞ではギベオンで4着。

 

 

これらには全て▲以上の印を回していたのですが、私の期待には全く応えてくれません。この方、本当に中京うまいのでしょうか?

 

 

でも、高松宮記念は04年サニングデール、16年ビッグアーサー、19年ミスターメロディと3勝しているしこのレースだけは違うのかな?

 

 

まぁ、個人的な悲鳴なので気にしないで下さい。