【安田記念特集】 ダノンの執念、3頭出しの可能性を探る

 

こちらは安田記念特集の1枚目です。

 

 

ここでは3頭出しのダノックス陣営の各馬を集中的に扱います。

 

 

ダノンの馬はここ2~3年はGⅠシーズンになると有力馬が毎週のように出走してきては人気になります。ある意味競馬界を席巻しているといえる存在でしょう。

 

 

ですが、肝心のGⅠになると勝てずに掲示板辺りが指定席になっています。

 

 

中には1番人気だったケースも何度もあたのですが、それで手に入った勲章はダノンファンタジーの2歳GⅠ1勝だけ。

 

 

前哨戦までが強く、GⅠでは惜しいところまで。運がないのか?勝負弱いのか?さすがにこれでは寂しすぎます。

 

 

そんな悲願のGⅠ制覇を目指して、今回は3頭出しの陣容です。並々ならぬ気合を感じさせています。

 

 

他頭出しのメリットはいろいろとあります。例えば、今回の登録を見てダノックスとノースヒルズの姿がダブって見えた人は多いと思います。

 

 

1週前のダービーでコントレイルの回りをガードするように進んだノースヒルズの2頭のレースぶりにもその効用は見て取れるところです。

 

 

あの並びは偶然とは思えず、無敗の2冠制覇をかけて鉄壁の布陣を敷いていたのだと思います。不利なくレースが運ぶように援護射撃をしていたのでしょう。

 

 

他にも単純なラビットの役割、身内が走りやすい状況を作るペースメイクの役割など、チーム戦でやれることは少なくありません

 

 

また、出走数におけるシェア率を上げることで好走を呼び込もうとする行動も過去に幾度となく見られています。

 

 

チーム戦で挑む事は少しでも勝利に近づこうとする行為に他ならないでしょう。

 

 

特に今回のダノックスの凄さは、スプリンターのダノンスマッシュの予定にない参戦や、徹底した川田降ろしなど様々な観点から感じることが出来ます。

 

 

アーモンドアイの参戦は想定外だったかもしれませんが、だからと言って簡単に引き下がらないと思います。

 

 

昨年の安田記念当時でさえ、ダノンプレミアム陣営は「この条件ならアーモンドとは互角以上」と自信を見せていた程です。

 

 

これだけの陣容を整えてヤル気を喪失するはずはありません。気持ちだけなら今回のメンバーで最も強いのではないでしょうか?

 

 

それにダノンの馬ならマイルGⅠぐらいがお似合いです。過去に何度か触れましたがここまでのGⅠ5勝は全てマイルGⅠで、他に中距離もスプリントもありません。

 

JBCスプリントを勝っているダノンレジェンドはカウント外)

 

 

GⅠ5勝に安田記念のタイトルはありませんが、マイルGⅠであるならその相性の良さを信頼するのは悪くないかもしれません。

 

 

 

 

ダノンキングリー

 

 

この馬のマイル適性については今年の牡馬クラシックを沸かしたサリオスと同じような認識でいいかもしれません。

 

 

このキングリーも皐月賞を僅差3着と走ってしまったためにダービーへと駒を勧めていました。

 

 

実のところは、皐月賞で結果が出てなければNHKマイルCに進む計画になっていたので、本質的な適性を物語るエピソードとなりそうです。

 

 

当初よりマイルの適性は高いと考えられていた証拠でしょう。

 

 

昨秋のマイルCSで2番人気5着と負けていますが、これは輸送が影響して馬が疲れてしまいピークの状態を維持できなかったことが原因です。

 

 

陣営はゲートイン時には調子は下降線に入っていたとレース後に振り返っています。

 

 

その点を考慮して、今春の大阪杯は木曜に阪神競馬場に移動し最善の策を尽くしていました。

 

 

が、やはり到着後に馬体を減らしてしまったそうです。

 

 

中2日あったので馬体が戻るように調整されていましたが、それでも-2kと余裕のない状態での出走となりました。

 

 

ラストに牝馬2頭に伸び負けていたのはこういう事が原因であったかもしれません。

 

 

先々は分かりませんが現状ではまだ輸送に不安を残す馬であるようです。

 

 

よって関東圏のレースだる今回は輸送の心配はなく、力を発揮出来る条件と考えていいでしょう。

 

 

府中コースの相性もとてもに良く、重賞2勝を含む3勝2着1回のハズレの無い成績。2着1回もダービーですからほぼパーフェクトな成績です。

 

 

前走から条件があらゆる面で好転しているように感じます。

 

 

馬の性能に関しても申し分がありません。

 

 

ハイペースでもスローペースでも問題なく対応しており、持続戦でも瞬発戦でも万能的な脚力性能を持っています。

 

 

レースの流れに左右されない安定感がこの馬の成績を安定させている要因です。

 

 

基本的な脚質は先行馬ですが、毎日王冠のように出遅れ最後方から直線ゴボウ抜きで勝ってしまったりとポジションを問わずに好走を続けています。

 

 

戸崎騎手の負傷で手綱を取っていた横山典騎手も「GⅠを勝てる馬」と非常に高い評価をしていました。

 

 

今回のメンバーに交じっても勝ち負けの資格を有する1頭だと思います。能力面で気になる材料は全くありません。

 

 

ただ、ローテションについては少々気になっているところがあります。それは安田記念大阪杯との関連性が思いのほか低いということです。

 

 

大阪杯がGⅠに昇格してまだ4年目でデータサンプルは過去3年しかありません。だからまだ成績を紐づけて語る時期にはないと思います。

 

 

ただ、私は当初から2000m(大阪杯)→マイル(安田記念)の臨戦過程は結果が出やすいのではないかと考えていました。

 

 

実際、同じ距離ローテションとなる天皇賞秋→マイルCSは関連性が非常に高く多くの好走実績を残しています。ですが過去3年の大阪杯組の成績は

 

 

【0・0・1・7】

 

 

と18年の勝ち馬スワーヴリチャードが3着になっただけで、ほとんど活躍出来ていません。

 

 

昨年の優勝馬アルアインや、大阪杯2着のステファノスペルシアンナイトなども含んでの成績ですからちょっと無視も出来ません。

 

 

秋の場合はワンタン→ワンターンですが、春の場合は1周コース→ワンターンと言うのが成績が直結しない理由なのかなぁと思うのですが。

 

 

でも、それもまだ推測の域なのでわかりません。

 

 

スワーヴリチャードのように府中適性があればと思いたいところですが、負けた馬にもそういう馬はいた訳でして。

 

 

コース適性のあったスワーヴでも3着までで連対を外していたという事実は重要かもしれません。

 

 

 

ダノンプレミアム

 

 

昨秋、リスグラシュー・メールドグラースが勝ったオーストラリアでは基本的に日本馬のレベルなら能力上位と言っていい力関係になっています。

 

 

なので、ダノンプレミアムもついにGⅠ制覇かな?と思って見ていたのですが、やはり勝てずに3着まででした。

 

 

この時は初めて背負う59kが影響したという見解があり、地元の馬にとっては背負い慣れた斤量でしたが、プレミアムにとっては厳しい斤量であったようです。

 

 

また、2000mのレースなのですが2:06.9と時計を要していたようにタフなコンディションも影響したかもしれません。

 

 

この敗戦は仕方ないかもなと思っています。

 

 

ただ、結果が出なかった以上は無駄な遠征になってしまいました。この遠征がどのように影響するかが今回の懸案事項となるでしょう。

 

 

そして遠征以前に、斤量、タフな馬場など厳しい条件でやって来ましたからダメージとか、余力が残っているかどうかも心配の種になりそうです。

 

 

絶好調の状態が整っているとは考えづらいところがあり、中間の調子やコンディションなど勝ち負けレベルまでもって来れているかのチェックは怠れないところです。

 

 

また、この馬は案外時計を持っていないところが気になります。ここまでの最速タイムは昨年かったマイラーズCの1:32.6となっています。

 

 

今年のマイラーズCの勝ち馬インディチャンプが1:32.4でしたので、こんなもかと言えばこんなものなのですが。

 

 

でも、出そうと思えば91秒台も出せる条件ではあるので、少々気になるところです。

 

 

昨年の安田記念も90秒台で決まっていました。不利は確かにありましたけど勝負所で置かれてしまったのはスピード負けした可能性もあったかもしれません。

 

 

高速馬場の適性そのものはありますが、上記したキングリーよりもマイル色を強く出して来た馬なのでマイルの持ち時計が無いのは物足りなく感じます。

 

 

能力そのもは間違いなく上位に入る馬ですが、条件面に不安が多い印象を今回は受けます。

 

 

この足りない部分を鞍上のレーン騎手がどこまで埋めるかにかかっていると言えるでしょう。

 

 

ただ、この馬のプロフィールには興味深い点があると思います。

 

 

今更ですが2歳GⅠの朝日杯FSを勝っている事にに注目してみるのはいかがでしょうか?

 

 

安田記念は良く荒れる、良くリピーターが来る、など言われますがその一端をこの朝日杯FS馬が担っていたりします。

 

 

グランプリボス(10年の朝日杯FS馬)
∟12年13番人気2着・14年16番人気2着

 

 

ロゴタイプ(12年の朝日杯FS馬)
∟16年8番人気1着・17年8番人気2着

 

 

ボスもロゴも古馬になっても活躍していたのですが、GⅠメンバーに交じると他の有力馬の影に隠れて印象が薄くなり人気が不当に落とされていました。

 

 

ダノンプレミアムも古馬になって金鯱賞勝ち、マイラーズC勝ち、天皇賞秋2着、マイルCS2着とGⅠ・Ⅱで勝ち負けの競馬を続けています。

 

 

それでも今回は4・5番人気がいい所だと思うので、ロゴやボスと似た環境に置かれているのではないでしょうか?

 

 

それに昨年もスタートのアクシデントが無ければ3着以内にいた可能性も大きかったと思うので、本当はリピーターとなる資格を持っていた馬かもしれません。

 

 

プレミアムは朝日杯FS馬=穴馬と言った図式には当て嵌まっているのではないかと考えています。

 

 

今年穴をあけるのが17年朝日杯FS馬であっても不思議なく、本当にそうなったとしてもそれは歴史の教訓通りです。

 

 

ダノンスマッシュ

 

 

この馬の出走そのものが今回の違和感を最も象徴しており、ダノックス陣営の意思の強さを物語っていると思います。

 

 

安田記念は考えていない」と前走の京王杯SC時に言っており、だから「ウチはここが目イチだよ」と勝負掛かりの1戦であった事が前走の真相です。

 

 

それにNHKマイルC以降はスプリント路線に拘っていた馬でそれで成績が高値安定した馬です。今更のマイル戻りに勝負気配があるとは思えません。

 

 

前走でも「1400mならこなせる」とマイルは長いと暗に認めているようなコメントを残しています。1400mぐらいがやはり限界なのでしょう。

 

 

そして、何といってもこの京王杯SCですら当初の予定にない1戦であったのです。

 

 

陣営は高松宮記念の結果に対して「負け方が納得できない」と思っていたそうでして、それが余計な1戦である京王杯SCの出走に踏み切った理由になっています。

 

 

春を勝って終わらせたかったのでしょう。

 

 

ですので、既に余計な1戦を済ませている状況であり、安田記念などはそれ以前の話で余計ですらないのかもしれません。

 

 

恐らくただの無駄撃ちでしょう。

 

 

本来的にオーシャンSを叩いて高松宮記念がピークの馬であり、その余力を出し切ってのGⅡ勝利です。そして4戦目にマイルGⅠ。

 

 

さすがに使い過ぎの印象を拭えません。余力なんてほとんど残っていないのではないでしょうか?

 

 

スマッシュ陣営が勝てると思って登録してきたとはとても考えられません。

 

 

スプリント戦ならまだGⅠ馬になる可能性も残っているはずなので、秋に備えた方が良いと思うのですが・・・

 

 

以上の事から、これほどの逸材を捨て駒にしてでもここは勝っておきたいというダノックスの意思の表れのように思えてなりません。

 

 

ダノックスがこのスマッシュをわざわざ出走させてきたのは京王杯SCを逃げて勝ったところに関係者が注目したからではないかと思っています。

 

 

記録上だとスマッシュが逃げの手を打ったのは前走が初めてでした。

 

 

スマッシュより距離適性のあったステルヴィオの追撃を完封しているのですから内容は実にあっぱれ。見どころ十分だったと思います。

 

 

余談ですが、スマッシュを降ろされてステルヴィオに騎乗していた川田騎手はその腹いせから本気でスマッシュを負かすつもりでいたのだそうです。

 

 

それでも勝てなかったのですからよほど強い逃げ切り勝ちだったのではないでしょうか?

 

 

そして、逃げた時のスマッシュがこれほど強いとはかつてのパートナーにも想像が付かなかったのでしょう。

 

 

だとすると、ダノンがGⅠを勝てなかったのは川田騎手にかなりの責任があるという事になってしまいそうです。

 

 

とにかく、この内容にダノックス陣営が目をつけたとしても不思議ありません。これを有効活用しようと考えるのは自然の流れだと思います。

 

 

強力な逃げキャラの馬はいませんし、基本スプリンターなのでスピード能力は高く行こうと思えば楽に行けることでしょう。

 

 

レースを支配しようするならスマッシュの利用価値は非常に高いのではないかと考えられます。

 

 

推論の域である事は認めますが、スマッシュ陣営の春戦の経緯を軸に考えればこの考えが最もしっくりくる出走理由ではないかと考えています。

 

 

1400mをこなした陣営が良く口にする言葉に「今ならマイルも大丈夫だと思う」の様なものがあります。

 

 

この手のケースは大概そうならない事の方が多いのが実情です。

 

 

とりわけスマッシュ陣営の場合は目的がそこにあるとも思えないので、仮にそのようなコメントを出したとしても信用性はさらに低いと思われます。

 

 

やはりこの馬を出汁にして待望のGⅠ制覇を目論んでいると考える方が自然です。

 

 

勝たせたいのはキングリーか?プレミアムか?こちらの優劣を先につけておく方が手順としてはいいのではないでしょうか?