【安田記念特集】 昨秋のマイルCS不出走馬の可能性を探る

 

こちらは安田記念特集の2枚目です。

 

 

ここではこの路線に本格的に参入することになる、アドマイヤマーズ、グランアレグリア、ノームコアの3頭を扱っていきます。

 

 

この3頭はいずれもマイルGⅠ馬ですが、古馬マイル路線の主流組とはほぼ未対戦でここまで来ています。

 

 

マーズ・コアは富士Sを、アレグリア阪神Cを走っていますので、間接的な比較は可能でしょうが、本格的なメンバー相手にその比較方に意味があるとは思えません。

 

 

昨秋のマイルCSから踏襲されているこの路線の勢力図においては新顔的な位置づけになので、評価や序列付けの匙加減は難しいところでしょう。

 

 

ただ幸い、この3頭は王道路線以外の局地戦でそれぞれに対戦しています。

 

 

アドマイヤマーズとノームコアは富士S香港マイルで1勝1敗の五分の対戦成績。

 

 

アドマイヤマーズとグランアレグリア朝日杯FSNHKマイルCでマーズの負けなし2勝の成績。

 

 

コアVSアレグリアのカードはありませんが、マーズ物差しで力差が解るようになればいいなと思います。

 

 

主流組との比較が出来ないなら、せめてこの3頭の序列ぐらいは察しをつけておきたいところです。 

 

 

 

アドマイヤマーズ

 

 

失念していましたがこの馬も只今マイルGⅠ3連勝中でありました。

 

 

一流マイラーとは未対戦な馬がいるので力差が微妙にわからないのですが、そこは前走の香港マイル優勝の実績で補填出来ると思います。

 

 

香港競馬のマイル戦は世界標準と言っていいほどにレベルが高い事で知られているからです。

 

 

特に香港マイルはその最高峰たるレースなので、地元の馬が非常に強く日本馬はほとんど抵抗出来ずに負け続けていました。

 

 

06年以降、15年に日本のモーリスが勝つまで現地の馬が9連勝しています。

 

 

そういうレースを勝利している時点でアドマイヤマーズの能力は相当なものと認識する必要があるでしょう。

 

 

しかも、最強馬の呼び声高いビューティージェネレーションの3連覇を阻止しての結果です。内容的にも十分誇れるところです。

 

 

今年の安田記念のメンバーの中でも最上級の評価を与えていい馬かもしれません。

 

 

それにこの馬もダノンプレミアムと同じ朝日杯FS馬なので評価が低いなら穴馬として期待してもいいのではないでしょうか?

 

 

さて、馬の特徴について簡単に確認しておきましょう。

 

 

この馬は切れ味や瞬発力を武器にしたマイラーではなく、長く脚が使える持続性能を活かしたレースの方が向いているようです。

 

 

一瞬で加速出来る能力は劣りますが、脚を使い続けてトップスピードに至ります。

 

 

こういうタイプは道中でブレーキを踏むと持続してきたスピードを手放すことになり、また瞬時にリカバーすることも難しくなります。

 

 

前が壁になったり、手綱を引っ張るようなアクシデントがあればその時点でアウトになりかねません。

 

 

出来るだけノンストップで脚を使い切るような競馬が好走の条件になって来ると思います。

 

 

今回は6枠9番と真ん中よりは外に納まりましたが、内枠で詰まるリスクを背負うよりはこちらの方がいいでしょう。外すぎている訳でもないので良い枠だと思います。

 

 

ただ、こういう馬なのであまり高速上がりが得意なようには思えません。

 

 

ここまでの国内戦8戦において上がり最速を記録したのは1度だけですし、最速上がりが共同通信杯時に記録した33.5秒とマイル戦では平凡な上がり時計です。

 

 

実際、共同通信杯でもダノンキングリーにキレ負けした格好になっています。スローの上がりの競馬になると上がりの速さで取りこぼすことはあるかもしれません。

 

 

タフなマイラーなので厳しいペースになった時の方が持続力の高さを活かせるので、パフォーマンスが向上するはずです。

 

 

どのぐらいのペースでレースが流れるのかが予想の上で重要で、展開想定により印が変動することになるでしょう。

 

 

また、昨秋の富士S稍重で力を発揮出来なかったように雨は降らない方がいいと思います。

 

 

この当時は休み明けだったので仕上がっていた訳でもないのですけど、勝ち負けを演じれるぐらいに馬は造っていたと陣営は話していました。

 

 

ですが、直線で伸びを欠き9着に惨敗しており、このデキでここまで走れないという事はかなりの道悪下手であるように感じます。

 

 

能力的な可能性は感じていますが、土日は雨予報も出ているので天気次第であっさり負けることもあるかもしれません。

 

 


この馬の検証はここまでです。以下は余談の話になるので、興味の無い方はスルーで大丈夫です。

 

 

アドマイヤの馬主だった近藤氏が亡くなり、所有馬は奥さんの近藤旬子氏が引き継いだことになっていました。

 

 

ですが、新しい馬主さんはもう意欲が無くなってしまったようでして、引き継いだ馬の多くを大塚良一氏に譲渡してしまっているようです。

 

 

大塚氏はワールドプレミア、クロコスミアの馬主さんです。

 

 

また、残った近藤旬子氏の所有馬も完全所有と言うよりは、半持ちと言った共同出資のようなケースが増えているようです。

 

 

実際、アドマイヤビルゴの口取り写真には大塚氏も一緒に写真に写っています。

 

 

新しい馬主さんもご高齢だと思いますし、長年連れ添った伴侶を失った喪失感から馬主業への意欲を失いつつあるのかもしれません。

 

 

少なくとも多くの馬を管理していくほどの余裕はないそうで、サークル内では当初から難しいだろうと言われておりました。

 

 

青と白のあのカッコいい勝負服はほぼ同じデザインの大魔神さんが継承していくでしょうが、あと何年かするとアドマイヤを冠した競争馬はいなくなるかもしれません。

 

 

 

グランアレグリア

 

 

ヴィクトリアMを熱発で回避となっています。

 

 

ですが、今年1月には高松宮記念→ヴィクトリアM→安田記念というローテションが発表されていました。

 

 

ここへの参戦はヴィクトリアMの代替措置ではなく、当初の予定通りのローテに過ぎません。

 

 

熱発自体が大したことがないと言うケースも多いですし、予定が大きく狂った訳でもないので特に気にする必要はないと思います。

 

 

それに、間隔を開けて使った方が能力を発揮できる馬なのでヴィクトリアMを使っての参戦よりも計算がしやすいと言えるでしょう。

 

 

かえって条件が良くなっているかもしれませんので、熱発話で評価を落とす必要は感じていません。

 

 

関係者のここまでの話を総合すると1400mが一番良くて、そこを軸にスプリント・マイルに対応している感じのようです。

 

 

スピード能力の高い馬なので、速さを武器に戦える条件がこの馬向きのレースと考えているからです。

 

 

確かに阪神C(1400m)の内容は素晴らしく、直線だけでの5馬身差は簡単にマネ出来ないと思わせるパフォーマンスでした。

 

 

この内容なら1400mがベストと言う陣営の認識は納得の出来るところでしょう。

 

 

なのでスピード能力がより活きるスプリントGⅠ高松宮記念への参戦に関しては、厩舎も全く問題視していませんでした。

 

 

この日は重馬場で行われていましたが、「良馬場だったら圧勝すると思うんだけど」と厩舎サイドは話していた程です。

 

 

このようにスピード能力を発揮出来る条件には厩舎サイドも自信を持っています。今はそういうレースの方が力を発揮しやすいというのはあるかもしれません。

 

 

よって、距離を延長するマイル戦の今回はスプリント戦よりも課題が増えてしまう条件と言えるでしょう。

 

 

阪神Cの時には「ワンペースでギアがないからマイルよりは1400mの方が良い」と言う見解を見せていたのが気になっています。

 

 

マイル重賞は桜花賞、サウジRCと勝っているのですが、この2勝の内容もハイスピードで押し切ってしまったと言う勝ち方なのでこの馬の特徴が良く表れていたと思います。

 

 

ただ、スピードだけで勝負できるのは完成度が影響する2・3歳の世代限定戦だから通用しているとも解釈出来ます。

 

 

もしくはヴィクトリアMのようにいろんなカテゴリーから出走してくるレースとかならまだ可能性もあるでしょう。

 

 

しかし、混合のマイルGⅠとなると本質的な適性も試されます。スペシャリスト揃いのGⅠでスピード能力だけを武器にどこまでのし上がれるでしょうか?

 

 

このクラスが相手になるとどこかでタメを作ったりとか、より強度なラップ構成を凌ぐ必要に迫られます。無呼吸で走り切るには少々厳しい条件です。

 

 

桜花賞馬相手にマイルが長いと言う話にはもっていきたくないのですが、レッツゴードンキレーヌミノルのように実はスプリンターでしたと言う桜花賞馬は割といます。

 

 

このままスピードだけで勝負となると人気程楽な競馬にはならないかもしれません。

 

 

ただ、この馬もだいぶ成長してきているのでレースぶりに進境を見せる可能性が大いにあります。

 

 

気性に難しいところを抱える馬で有名でしたが、加齢に伴いその点に改善の兆しが見えていると言う話です。

 

 

精神的に大人になって来ているので今は操縦性も向上しているのだとか。今のアレグリアなら待てと言われたら素直に待ってくれるかもしれません。

 

 

道中で少しでもタメられればこの馬のスピード能力がより活かせる事になるので直線でそれを爆発させることも出来るでしょう。

 

 

レースの展開なども影響しそうですが、何とか折り合いをつけてレースが出来ればいいなと思っています。

 

 

なお、馬体の方も4歳になり順調に成長しています。

 

 

背が伸びてきており馬体は立派になっていて馬体重にもその変化がはっきりと表れています。

 

 

前走が過去最高の馬体重(486k)であったのですが、新馬戦時が458kでしたから約30kも増えているのです。

 

 

GⅠで2着した馬体ですから太目残りであったという事もないでしょう。純粋な成長分と受け取っていいと思います。

 

 

能力に馬体が追いついて来た印象で、馬は3歳時よりも強くなっていると思われます。

 

 

心身共に成長しているようなので、今が成長曲線の頂上部分にいる可能性もあるでしょう。

 

 

そういう時にサラブレッドは人間の想定を超えた力を発揮することがよくあります。

 

 

充実している今ならマイルの距離も問題なくこなすかもしれません。それどころかアーモンドアイ撃破なんてシーンがあっていい気がしています。

 

 

 

ノームコア

 

 

この馬が3着に入りヴィクトリアMにおけるリピート記録がまた継続されました。この傾向は本当に単純ですね。

 

 

ただ、ヴィクトリアM→安田記念のローテにはあまり良いイメージがありません。

 

 

ここ2年はヴィクトリアMから安田記念の連対馬が出ているのですが、いずれもアエロリットによるものでこの10年では実質1頭しか馬券になっていません。

 

 

やはり相手関係が一気に強化されるのであまりいいローテーションではないのかもしれません。

 

 

3冠牝馬アパパネリスグラシューもこのローテで結果を出せませんでした。

 

 

3週前のGⅠなのでイメージ的に良い印象が残りやすいのですが、牝馬同士の1戦であることを忘れて過大な期待をするのはよろしくないのでしょう。

 

 

まぁ、これはアーモンドアイにも言えることなのですが・・・

 

 

この馬のウリは高速馬場に対応した実績が既にあること。上記のマーズ、アレグリアにもない有利な材料です。

 

 

前走のヴィクトリアMではスタートが良くなく、ポジションを取るのに無駄な脚を使ってしまったようです。

 

 

横山典騎手もあれが無ければ2着はあっただろうとレース後に話しています。

 

 

やはり、府中の高速決着だと安定して上位に顔を出してきます。よほど適性が高いのでしょう。

 

 

厩舎サイドもその点は認めていて、それがこの馬の長所であると考えています。昨年のように90秒台の決着になるならこの馬の適性はやはり侮れないと思います。

 

 

実際、持ち時計ならアーモンドアイを含めどの馬よりも速い時計を持っていますので、一定の注意は必要かもしれません。

 

 

それだけに重馬場になるとその武器を失う事になります。だから陣営は良馬場がMUSTであることをいつも口にしています。

 

 

富士S稍重で優勝しているのでこなせない事はないのですが、それもGⅢでしたからGⅠだと同じように行くかはわかりません。

 

 

強敵に立ち向かう以上は自信の長所を存分に出せるような条件下の方が望ましいところです。

 

 

また、馬場の影響で時計が遅くなるなら有利になる馬が他にもいますので、この馬が持っていた優位性は失う事にもなるでしょう。

 

 

残念ながら土曜の夕刻から東京は強い雨に見舞われていて、これが明け方まで降り続くのだそうです。

 

 

こうなってしまうとレースまでにどこまで馬場が回復するかが重要です。

 

 

高速馬場の時計の速い決着でこそこの馬の伝家の宝刀は炸裂しますので、当日の馬場状況次第ではと言う事になってきます。

 

 

なお、この馬も目標は前走でしたから一仕事終えている状態です。勝ち負けを見こんだ1戦とは考えづらいところです。